siimeeの拠点は、ラオスの首都ビエンチャンにある。
外国へ行く時、大抵は首都がはじまりの場所となる。
私も、はじめてラオスを旅した時、そして青年海外協力隊としてラオスで暮らし始めた時、いつもはじまりはビエンチャンだった。
でも、協力隊で実際に2年間暮らしたのは、ビエンチャンから150km東にあるボリカムサイ県という場所。
首都に行く時はいつも「上京する」という表現をしていた。
だから、今回改めてビエンチャンでsiimeeのものづくりを始める時、「上京して」、ラオスの中心であるこの場所で、心機一転はじめるという、そんな気持ちだった。
ビエンチャンは今、外国資本による大規模開発で、大型ショッピングモールやホテルなども増えている。
高いビルがなかったビエンチャンの景色も少しずつ変わってきた。
スーパーマーケットも増えて、あらゆる国からやってくる調味料なども手に入りやすくなった。
一方、市場に行くと、捌きたての肉たち、むき出しのまま整然と並べられた野菜、まだ生きている魚や虫たち、それを売り買いしあう人々の活気ある声があふれている。
少し路上に入ると、軒先でくつろいだり、ビールを飲む人々の姿がある。
そんなラオスの人々の何気ない日常を感じられるこの場所にいると、私はいつまでもここに居たい、という気持ちになる。
自分にとっての日常と異文化の狭間にいつまでも揺られている。
この場所には、信頼できて、尊敬しているラオス人の仲間たちがいる。
「ラオス人は働かない」という言葉を最近も聞いたけど、夢と目標を持って行動し続けているラオス人たちもいる。
私もそんな彼らの後を追いながら、肩を並べて、この場所で踏ん張りたいと思っている。
ビエンチャンの空の下、今日も歩いて前に進めることがうれしい。